施設基準プロフェッショナルコラム

COLUMN04|届出時の注意点

平成28年3月18日

診療報酬改定については、3月4日に厚生労働省が全国の担当者に対して説明会を実施し同時に関連する告示などが通知されました。
全国の病院におかれましては、4月から実施される新しい点数を算定するために、最も多忙な時期になっているものと拝察いたします。

施設基準の届出について

施設基準に関する点数を算定するためには、届出が必要です。今回は届出について特に注意しなければならないことについてお話しさせていただきます。

今回の改定においても届出については4月14日までに提出すれば、4月1日に遡って算定することができるように特例が盛り込まれています。届出書は厚生局における4月14日以前の受付印がなければ4月14日までに提出したことになりません。4月15日になって「1日くらい遅れても今月から算定してもいいですよね。」と言いながら届出書を持参してこられたところを毎回のように拝見したことがございましたが、そんなことは絶対にありません。

元々、4月から算定するためには4月1日に届出書を提出するのがルールです。改定の時だけ14日間のオマケが付けられているのです。そこにさらにオマケが付くはずがありません。届出書は郵送での提出が可能ですが、4月14日までに到着していなければ期日内の受付印は押印されません。懸賞の締切とは違い「消印有効」ではありません。また、発送しても遅延したり、未着になったような場合も期日までに提出したことにはなりません。

まれにですが、提出する際に中身をよく確認しなかったために、送ったつもりの届出書の一部が未封入になってしまっていたような事故事例も耳にしたことがございました。さらに、送付先を間違えてしまい戻ってしまったり、回送されているうちに4月14日の期日を過ぎてしまったなどの事例も発生したことがございました。届出書は管轄の厚生局に持参するか、確実に送達する方法で発送することをお勧めいたします。

届出する際には告示、通知、その後に発信された「疑義解釈資料の送付について(その○)」いわゆる「疑義解釈通知」などをよく読んで、ご自分の病院における実態が合致しているか念入りに確認することが大切です。
添付書類について「○○のわかるもの」などのように表示され、具体的に名称が指定されていないことがあります。このようなときに多いご質問が「何を添付したらよいかわからない」というものです。このような表現をするときは、該当する書類などに統一した名称が定まっていないケースなどが多いことから、施設基準の通知などを良く読んでいただき、届出の要件を確認していただきたいと思います。届出書は、基本的には要件を満たしているかどうか確認するために必要なものを記載したり添付するようになっております。届出要件が理解できれば「この欄にはこのように書けばよいのかな」とか「この書類のことかな」といった具合に理解できるようになると思います。

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非常に好ましくない事例といたしまして、ごく一部の事例でしたが、通知等の読み(解釈)誤り、実態の誤認などにより要件を満たしていなかったにも関わらず、届出を提出してしまったようなものを目にしたことがございました。当然ですが、点数は算定できませんので、過請求があれば全額返還となります。 届出制について勘違いされている病院が一部におられるようですので、少し説明を加えさせていただきます。
何を勘違いしているかと申しますと、届出書の副本と一緒に受理通知が送られて来たら「点数の算定が許可された」との誤解です。以前は承認制だったため、承認書が交付されるまでには行政側の念入りな現地確認、書類確認がされており、確実に要件を満たしているものだけに承認書が交付されておりましたので、確かにそのような解釈が成り立ちます。

しかし、現在は届出制です。書類が単に受理されただけのことです。届出時において要件を満たしているかの確認は厚生局がするのではなく、届出者側がする仕組みになっております。厚生局は届出後に状況確認のために立ち入りの調査(一般的に適時調査と言われております)をいたします。行政側による詳細な確認はこの時点までありません。

また、この時期、厚生局も短期間で数多くの届出書類を処理いたしますので、届出書の細かな内容のチェックまでは手が回らないこともあるかもしれません。大きく要件を逸脱して不審なものと認識されなければ、受理されるのが通常です。ですから届出書がすんなりと受理されたからと言って喜ぶのは危険です。
厚生局の中には届出書類の記載内容や添付書類を細かく見ていただける担当者の方もおられます。届出内容に不審な個所が発見されれば、確認の連絡があり、算定の可否についてチェックする機会が早めに訪れることになります。このような担当者はとても親切な方ですので、連絡があった時には「面倒だな」などとは思わず慎重な対応をお願いいたします。

また、この時点で注意したいのが、要件を満たしていない事実に気が付いたにも関わらず、点数を算定したいがために、事実と違った説明をしたり、虚偽の書類を追加提出するようなことは絶対にしてはいけません。後日、そのことが問題視されれば、不正請求をしたとして保険医療機関の指定の取り消しになる可能性もないわけではありません。
なお、提出した届出書類は添付書類も含めまして「行政文書」として保管され、一般的には「開示請求の対象」となります。簡単に申し上げれば、手続きさえすれば誰でもそれを見たり、写しを入手することができるわけです。変な書類を提出してしまいますと、外部の方に見られて誤解をされてしまうこともあり得るお話です。
もし、そうなってしまいましたら言い訳したくらいでは済まないような重大事案に発展することがあるかもしれません。
過去には、不正請求の噂が出た病院の書類をマスコミの方が開示請求したこともございました。提出した届出書は添付書類も含めまして、病院と厚生局だけが保管する秘密書類ではないことをよく理解していただきたいと思います。

入院基本料の再届出について

今回の改定では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の内容の見直し、一般病棟7対1入院基本料や一般病棟
10対1入院基本料の看護必要度加算などにおける「看護必要度の該当患者割合」の見直し、療養病棟の「医療区分の内容」の見直し、療養病棟入院基本料2における「医療区分の高い患者割合」の要件追加などいくつかの要件変更があります。

これらの取り扱いについては9月末までの猶予期間が設けられております。この間に看護師に対する看護必要度の研修(遅くても8月末までには実施する必要があります。)を実施したり、数値が見直されたものに関しては新基準における要件の再確認などが必要となり、何も問題なく改定後の要件を満たせるようでしたら、実績を確認して10月1日までに届出が必要となります。

もし、改定後の要件を満たすことが困難な場合には、他の入院基本料に変更しなければならなくなります。7対1から10対1にランクを下げるような場合には、比較的簡単に届出は可能と思われますが、新しい入院基本料の届出には1カ月間の実績が必要となりますので、特定入院料などの全く別の入院基本料に変更するような場合には、遅くても6月頃までにはどのようなものに変更するかの見極めをしたいところです。(ただし、回復期リハビリテーション病棟入院料1と2については、6カ月間の実績が必要ですので今から準備しても間に合わないかもしれませんので注意してください。)

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準備が良い病院では、2月10日に発表された中医協の答申内容により、新しい基準を満たすかどうかのシミュレーションを実施しているところもあるようです。このようなところは、現行の基準が維持できるかできないかの予測が既に完了しており、維持困難な場合の変更先の検討に着手しているようです。 重ねて申し上げますが、今回の改定内容については6カ月間の猶予が設けられているものがありますので、それに該当する範囲のものについては直ぐに結論を導く必要はありません。今は4月実施の新しい施設基準の届出と新点数の算定可否の検証に集中する時期と思います。そして、それが済みましたら、早めに、病院の入院基本料の実態と方向性について、状況を正確に検証、検討されることをお勧めいたします。

竹田和行(社会医療法人 輝城会 医療・介護経営研究所所長)

竹田 和行(たけだ かずゆき)
1961年 東京都生まれ。
1993年 東京都福祉局社会保険指導部医療課において医療行政、特に看護、給食、寝具設備(当時のいわゆる3基準)とその他の施設基準についての指導を担当し、1999年に部署が変わるまでの間に指 導、監査および調査のため数多くの病院の立ち入りに同行した。
その後、社会保険庁の出先機関において年金、健康保険の行政事務を担当し、2008年 関東信越厚生局医療課長補佐、2010年 関東信越厚生局群 馬事務所審査課長を歴任し、2012年の退職までの4年間にも主として施設基準の指導を担当し、指導、監査および調査のため病院の立ち入りに同行した。退職までには約400か所の病院の立ち入りに同行した実績を持つ。
現在は社会医療法人輝城会 医療・介護経営研究所 所長。
また、2018年1月に設立された一般社団法人 日本施設基準管理士協会 理事就任。
主として、施設基準のルールなどについて契約先の病院に助言などを行うほか、セミナーや講演会などで施設基準や個別指導などをテーマに解説を行っている。

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