施設基準プロフェッショナルコラム

COLUMN33|消費税率改定に伴う、注意点などについて

令和元年9月20日
  • 特別の療養環境の提供(差額ベット)などの保険外併用療養費
  • 患者に支払いを求める料金については消費税が課されることから、10月1日以後の利用分については消費税率が10%に変更されます。

    • 同意書
    • 消費税率が変更されたことにより患者からの支払額を変更する場合には、同意書(利用申込書)を取り直す必要があります。
      なお、同意は事前に受ける必要がありますので、料金額を変更する日(10月1日から変更するのであれば、同日までに。)までに同意書の取り直しが必要です。

    • 厚生局への報告
    • 保険外併用療養費の取り扱いについては、厚生局に金額などの報告をしなければなりませんので、この報告も新しい料金額に変更したものを再提出する必要があります。

      厚生局に報告する場合には、所定の書式により報告する必要があります。様式は各厚生局のホームページに掲載されております。提出は1部だけで差し支えありませんし、郵送でも受け付けてもらえます。

      ちなみに、関東信越厚生局において掲示されているものは、 下記のリンク先をご覧ください。
      https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/hoken_heiyo/index.html

  • 保険外負担(おむつ代など)
  • 患者に支払いを求める料金については消費税が課されることから、10月1日以後の利用分については消費税率が10%に変更されます。

    • 同意書
    • 消費税率が変更されたことにより患者からの支払額を変更する場合には、同意書(利用申込書)を取り直す必要があります。
      なお、同意は事前に受ける必要がありますので、料金額を変更する日(10月1日から変更するのであれば、同日までに。)までに同意書の取り直しが必要です。

  • 診療報酬
  • 10月1日から、初・再診料や入院基本料の点数に変更があります。診療報酬の一部負担金には消費税を別に課す仕組みにはなっておりませんので、診療報酬の点数改定そのものにより一部負担金に変更などがあっても、患者から何かを取り直したり、厚生局に書類を提出したりするものはありませんが、9月までの支払額と10月からの支払額に変更がある場合もありますことから、その旨を会計窓口などに「お知らせ」のような形で掲示する方がよろしいものと思われます。

  • 院内掲示
  • 保険外併用療養費や保険外負担については、その料金額などについては院内において患者の見やすいところに掲示しなければなりません。
    また、これらの料金額と税額、それ以外の健康診断などの自由診療などに関する料金額と税額の表示方法については、財務省の管轄になりますので、そちらの行政庁の指導に従う必要があります。

    財務省の消費税率変更に関係する記事は下記のリンク先などを参照してください。
    https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d03.htm

    ちなみに、令和3年3月31日までの間は、税別表示でも税込表示でも誤解を受けないようになっていれば、どちらでも差し支えないようですが、本年9月の段階で税込表示となっていて、消費税率変更により患者からの支払額を変更する場合には、院内掲示の金額部分を訂正しなければなりません。

    最近拝見した病院での院内掲示でしたが、保険外併用療養費が「税込」で、保険外負担が「税別」になっているところがございました。患者側から誤解を招く要因になりますことから、どちらかに(しばらくは消費税率の改定も予定されておりませんし、平成3年4月以後は「税込表示に統一」する必要もありますので、この機会に「税込」に。)統一されることをお勧めいたします。

    また、院内掲示ではありませんが、最近では病院のホームページにこれらの料金額を掲示しているところが多いようです。しかし、ホームページにおけるこれらの掲示の存在が忘れ去られているところもあるようですので、ホームページに掲載がある場合には、こちらも忘れずに訂正しておきましょう。

    厚生局における関係する通知などは下記のリンク先よりご確認ください。

    令和元年8月19日付 疑義解釈

    平成26年4月4日付 疑義解釈

    令和元年10月1日付 新点数表

竹田和行(株式会社 施設基準総合研究所 代表取締役)

竹田 和行(たけだ かずゆき)
1961年 東京都生まれ。
1993年 東京都福祉局社会保険指導部医療課において医療行政、特に看護、給食、寝具設備(当時のいわゆる3基準)とその他の施設基準についての指導を担当し、1999年に部署が変わるまでの間に指導、監査および調査のため数多くの病院の立ち入りに同行した。
その後、社会保険庁の出先機関において年金、健康保険の行政事務を担当し、2008年 関東信越厚生局医療課長補佐、2010年 関東信越厚生局群馬事務所審査課長を歴任し、2012年の退職までの4年間にも主として施設基準の指導を担当し、指導、監査および調査のため病院の立ち入りに同行した。施設基準を担当した10年間で約400か所の病院の立ち入りに同行した実績を持つ。
2012年 社会医療法人輝城会 医療・介護経営研究所 所長。
現在は 株式会社 施設基準総合研究所 代表取締役。
医療コンサルタントとして、施設基準のルールなどについて契約先の病院に助言などを行うほか、セミナーや講演会などで施設基準や個別指導などをテーマに解説を行っている。